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マスターモニターとは?
映像制作や放送の現場では「見たままの映像」がそのまま世の中に出ていきます。
そこで基準として使われるのが、マスターモニター(Master Monitor)です。
マスターモニターとは、色や階調などの表示品質が、業界規格に厳密に準拠したプロ向けディスプレイのこと。
放送局、映画スタジオ、カラーグレーディングルームなど、「正しさ」が最優先される場面で使用されます。
一般モニターとマスターモニターの違いとは?
比較項目 | マスターモニター | 一般モニター |
---|---|---|
主な用途 | 映像制作・放送現場 | PC作業・動画鑑賞・ゲーム |
色の正確さ | ITU-R BT.709 / DCI-P3等の規格に準拠 | 見映え優先、規格準拠なし |
階調表現 | 高精度(10bit以上) | 多くが8bit、滑らかさに限界 |
キャリブレーション | ハードウェア補正済、定期再調整あり | 簡易ソフトウェア調整が主流 |
遅延・表示の安定性 | 遅延ゼロ、ガンマも安定 | ゲーム向け以外は遅延あり |
価格帯 | 数十万円〜数百万円 | 1万円〜数十万円程度 |
映像を「美しく見せる」モニターではなく、「正しく映す」ための基準器。
これがマスターモニターの本質です。
どんな現場でマスターモニターが使われている?
以下のようなプロフェッショナルな映像制作環境では、ほぼ必ず使われています。
- 📺️ 地上波/BS/CSなどの放送局スタジオ
- 🎬️ 映画やドラマのポスプロ現場
- 🎨 カラーグレーディングルーム(DaVinci Resolveなど)
- 🔬 OTT配信用(Netflix、Amazonプライムビデオ etc.)のマスタリング確認工程
- 🎥 撮影現場でのライブ確認(ハイエンドカメラと併用)
※リファレンスモニター=マスターモニター、言葉として同義語です。放送基準に準拠「マスモニ」、色の基準に準拠「リファレンス」と使い分けられてる事が多い(肌感)
代表的なマスターモニターの例
モデル名 | メーカー | 解像度 | 対応規格 | 特徴 |
---|---|---|---|---|
BVM-HX3110 | SONY | 4K (4096×2160) | HDR10, HLG, Dolby Vision | 放送局スタンダード。12bit表示・リファレンスHDR対応 |
ColorEdge PROMINENCE CG3146 | EIZO | 4K (4096×2160) | HDR10, HLG | カラーグレーディング向け。内蔵キャリブレーションセンサー搭載 |
Flanders Scientific XM312U | FSI | 4K | HDRマスタリング対応 | DaVinci現場で人気のHDRモニター |
🔗 詳しいスペックはこちら → UHDTV ProSpecs『プロスペ』のマスターモニター一覧を見る
マスターモニターが必要な人・不要な人
あなたの立場 | おすすめ度 | 理由 |
---|---|---|
映像制作・編集のプロ | ★★★★★ | 色や階調の正確さが仕事の成果に直結 |
カラーグレーディング業務を請け負っている | ★★★★★ | 「見た目」が信用問題になる |
ゲーム実況やYouTube撮影のみ | ★☆☆☆☆ | 過剰なスペックになりがち |
映像系フリーランスで成長途中 | ★★★☆☆ | 色補正を学び始めるなら◎ 中古モデルも選択肢に |
まとめ
マスターモニターは、「映像の正解」を測るための基準器です。
民生向けのモニターでは再現できない、正確な色・滑らかな階調・遅延のない表示が求められるプロの現場において、欠かせない存在となっています。
📌 UHDTV ProSpecsでは、各マスターモニターの仕様を詳しく比較・検索できます。
今後、あなたの現場に最適な1台を選ぶ際に、ぜひお役立てください。